地蔵信仰、壬生狂言、新選組の3つで広く知られる壬生寺。GWに上演される壬生狂言に合わせ、通常非公開の本堂や庭園などが特別公開されます。
本堂には本尊 地蔵菩薩立像(重要文化財)が安置されています。
旧本尊は日本の仏像彫刻に多大な影響を与えた平安時代の仏師 定朝作とされるものでしたが、火災によって焼失しました。
本公開では修復図面などを元に3年がかりで復元された縄目地蔵尊像(延命地蔵菩薩像)が公開される他、特徴的な石組みと新緑が美しい庭園(京都市指定登録文化財)、寺宝が公開されます。2025年は「壬生寺の地蔵信仰」をテーマに、宝物である重要文化財「錫杖頭」(しゃくじょうがしら)や、「地蔵講式」(鎌倉時代)、「十王図」(南北朝時代)が特別公開されます。
一般初公開の縄目地蔵尊像は、昭和37年に焼失した定朝作と伝わる旧本尊を復元したものです。大正年間に修復された際の図面や、縄目地蔵を描いた鎌倉時代の図絵(根津美術館蔵)を元に、3年の歳月をかけて制作されました。寸法は当時と同じで、総檜の寄木造です。『太平記』では追っ手から逃げる武士の身代わりに捕縛されたという記述があり、このことから「縄目地蔵」の名で親しまれるようになりました。
正式には壬生大念佛狂言といい、国の重要無形民俗文化財に指定されています。700年以上前に円覚上人が創始したもので、仏教の教えをわかりやすく群集に伝えるために創作された無言劇です。伝承団体は壬生寺の信者の方で構成されていて、全て口伝で継承されてきました。GW期間中の4月29日~5月5日の間、重要文化財の狂言堂で催されます。 詳しくは壬生寺ホームページを御覧ください。
正暦2年(991)、園城寺の僧侶・快賢僧都が亡き母の供養のため、仏師・定朝に命じて延命地蔵菩薩像を造らせ、これを本尊として建立したのが壬生寺の始まりです。昭和37年の火災で本堂及び、定朝作の御本尊ともに失われました。旧本尊の持物である錫杖頭が現在残ります。 現在の本尊は昭和42年に唐招提寺から、延命地蔵菩薩像(重要文化財)が迎えられました。
律宗の別格本山。正暦2年(991)に快賢僧都が亡き母のために建立し、その本尊「延命地蔵菩薩像」は平安時代の仏師 定朝の作と伝わります。本尊の霊験はあまねく広がり、白河天皇の行幸もあり、地蔵院の名を賜ったと言われています。しかし度々火災に見舞われ、現在の本堂は昭和45年(1970)に再建されました。勅願寺でもあり、また京都の裏鬼門にあたることから厄除け開運のご利益が授けられ、広く庶民からも信仰を集めてきました。加えて700年の歴史を持つ壬生狂言や、近年では新選組ゆかりの寺として、幅広い層の方々が参拝に来られます。
壬生寺 京都市中京区壬生梛ノ宮町31
京都駅から約15分。壬生寺道(北行一方通行)の壬生寺付近と四条通り付近に有料駐車場有り